イギリス中で愛されているティールームJuri’sが東京に。

イギリス中で愛されているティールームJuri’sが東京に。

先日、日本橋三越本店で開催された「英国展」。その中のイートインに出店していたのが、イギリス・コッツウォルズ地方の小さな町、ウィンチコムのティールーム、Juri’s(ジュリス)!日本人の宮脇樹里さんとそのご家族で営む小さなティールームですが、2008年にイギリス紅茶協会より、栄えある「トップティープレイス賞」を受賞し、町の人にはもちろん、イギリス全土の人達にも愛されているお店です。英国展では、英国菓子セット、自家製スコーンが楽しめるクリームティーがいただけました。いつも行列が出ていたお店は、お昼過ぎには完売も出てしまうなど、連日大盛況の出店でした。

<3年前、英国留学中のかけがえのない出会い>

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実は、こちらのJuri’s、私にも特別なご縁のあるお店でした。同じ町のお城で私がインターンをしていた時に偶然出会ったお店で、ガーデンでの仕事帰りに立ち寄ってケーキやお茶をいただいていました。朝から勤務終了まで動きっぱなしのお庭仕事で毎日ヘトヘト、いつも信じられないくらいお腹が空いていた私は、ホストファミリーの夕飯が待ちきれず、閉店間際このお店に汗まみれの作業着のまま駆け込むことがしばしばありました。初めて口にした紅茶の香りの豊かさは今でも忘れられません。樹里さんの手がけたスコーンのしっとりとした美味しさ、今まで食べたケーキの中で一番と言えるほどの絶品のケーキも。少しずつお店の樹里さんやお母さん、お父さんとも言葉を交わすようになり、気がつけば家族のように温かく私の道を応援してくださるようになりました。前に勤めていたテレビ局を辞めて、すぐにイギリスに渡った私ですが、ロンドンにいた時は語学学校やフラワースクールに通いながら「自分は何者なのか、どこに向かっていくのか」、先の見えない状態でした。いつも考えていて、どこか宙ぶらりんのような状態。それでも、ウィンチコムにやってきてインターンの仕事につき、花と緑に囲まれて土にまみれて体を動かすうちに、ポロポロと何かが取れていき、「今の私が自分自身だ!」とはっきりわかるようになりました。そして「日本に帰って、花と緑に関わる仕事をしていく!」と生涯の覚悟を決めていくことができるようになったのもこの街でした。Juri’sで過ごしたひとときでは、いつもそんな夢の話を語りあったりして過ごした、樹里さんやご家族との交流はかけがえのない時間となりました。

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そんなJuri’sは、私がイギリスを去った後、大きな悲しみに包まれます。それは、いつも家族とお店を支えていた太陽のような存在のお母さん、順子さんが病に伏し、亡くなられたこと。信じられない気持ちでその訃報を聞きました。お店はクローズとなり、そこから3年が経ちました。そして今またウィンチコムで、樹里さんとお父さんが新生Juri’sをスタートさせました。美味しいお菓子と、香り高い紅茶で、いつも優しく労わるように訪れた人を癒して、笑顔にしてきたお店がこれからどんな毎日を紡いでいるのか、私は日本からとびきりのエールを送り続けたいと思います。

<お母さんがこよなく愛した英国の庭を届けたい!>

さて、この日本橋三越本店・英国展の出店では、樹里さんから声をかけていただき、お店のディスプレイの一部をお手伝いさせていただきました。お店の象徴とも言えるガーデンテーブルに咲き誇るラベンダー。お母さんがこよなく愛して大切にしていたお庭ですくすくと育っていたバラ。Juri’sを訪れたことのある人も、そうでもない人も、遠い海の向こうのお店の雰囲気を感じてもらいたい。そんなことを思い、この2つのお花をご用意しました。ほんの少しの時間でもお客様の目に止まって想像してもらえていたらこんなに嬉しいことはありません。そして、天国で見守っている順子さんも、笑っていてくれたなら。

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