その花達は、遥か高い山頂付近で綺麗に咲いていました。
近年の登山ブームに合わせて、山で余暇を楽しむ人も増えてきています。そんな山での楽しみの一つとしてお勧めしたいいのが、『高山植物』(Alpine flowers)です。
高山植物とは、森林が生息する限界と言われる”森林限界”より、高い高度の高山帯に生えている植物全般を指しています。
今から一万年以上前の氷期に南下してやってきた植物達は、日本の気温が上昇するにつれて、冷涼な土地を求めて、高山帯に生息するようになっていったと言われています。
そんなストーリーも知っておくと、何気なく咲いている山頂付近の花々に特別な思いを感じられます。訪れた乗鞍岳で出会った、夏の高山植物の一部をご紹介していきます。
子馬のような形の花冠を持つコマクサ。
深山(みやま)に生えることから、ミヤマアキノキリンソウ。
上向きに花が咲く、イワギキョウ。
花火のような可憐な花が咲く、ミヤマシシウド。
浜で作る塩竈に似ていると言われる、ヨツバシオガマ。(青虫が花のてっぺんに!)
ひっそりと咲いていた、コウメバチソウ。
羽毛が風になびく姿がなんとも愛おしい、チングルマ。
いかがですか?地上の花よりも、個性的で、強く可憐な高山植物。その昔、寒冷な土地を求めて山を登ったこれらの植物は、
これ以上気温があがったら生きていけなくなるかもしれません。5年後も、10年後も、多様性を持って咲き続けていけるように、守っていきたいと強く感じました。