かねてより節目で必ず伺うと心に決めていた神奈川県・藤野のfour peasさん(@fourpeasflowers )に、花の仲間である、鎌倉のCHIC大松和子さん(@kazukohmatsu)と取材に行かせてもらいました。
みなさんは「スローフラワー」という言葉を聞いたことはありますか?
日本では、ほとんど知られていない言葉ですよね。私なりの解釈になりますが、「スローフード」と似た考えで、花を種から育てて、季節の巡りと自然の声に耳を傾けながら栽培された旬の花を、ローカルで飾って楽しむこと。当然のことながら、農薬・化学肥料を使わず、環境になるべく負担をかけないことを大切にしています。
four peasさんの農園では、力強い咲き誇るジニア、ダリア、千日紅、コスモスが出迎えてくれました。色も綺麗だし、露地栽培なので茎も葉もしっかりしてる。でもよくみると市場で出回る花ではないような虫食いのあともあったり、茎の曲がり方が個性的だったり。代表の聡子さんのお話を聞きながらさらにじっくり足を踏み入れることで、「自然のまま。」 それがどれだけ、思い通りにいかないことか、よくわかりました。
一画で育てていたアマランサスはほとんど食べられてしまい、茎のみが残る状態。ケイトウも葉っぱは全て虫食い。
でも、全体を見渡せばこんなにたくさんの種類の昆虫を見たのは久しぶりだなぁと思うような賑やかな畑で、花だけが煌々と咲いているのではなくて、蝶やミツバチ、てんとう虫、蜘蛛にトンボやカゲロウ。たくさんの昆虫と絡み合うようにお花が存在している感じ。
人がコントロールするのではなく、自然の歩みに耳を傾けて歩幅を合わせていく。それがスローフラワーにおいて大切なんだということもわかりました。
裏の温室では、来年の春のキンギョソウを種から発芽させているところ。花の栽培では、生産者さんが育苗の会社さんから苗を買って育てるのが一般的。だからこそ、全て種からというのはすごく手間のかかること。「その土地の草花の種は、そこで生き抜く知恵を持っているはずだから。」と聡子さん。半年以上も前から次のお花の準備を進めていくのですね。
私の事業では、今年は市場で買参権もとり、市場での仕入れ量も去年までより格段にあがりました。買参権をとったのはたくさんのクライアントさんのニーズによりしっかりと応えていきたいという思いからでした。台風があっても、地震があっても、真夏にも真冬にも東京の市場にはお花が集まっている。それは本当にすごいこと。
全国の生産者さんが手塩にかけたお花がたくさん集まって、私たちがどんな時も困らずに仕事をしていける。尊敬と感謝の中で、日々の仕入れでお花を手にしている。これからも、ニーズがあれば冬に夏の演出のお花もあるし、夏に秋冬の展示会もある。たくさんのお花を仕入れて私たちは進んでいくんだと思う。
でもそれと違う軸も持ちたいと思っている。
町の人が飾るお花の選択肢に、このスローフラワーがある未来が見てみたい。私の子どもたちに、こんな風に育てられたお花を楽しんで飾って、ベタベタ触っても安心して見ていられて、食卓でもどんどん花を飾ってもらえるような。
まだまだ学びの途中だけど、秋にはfour peasさんのスローフラワーを使わせていただく企画もご案内できそうなので、少しずつオーガニックなお花たちも知ってもらえたらいいなぁと思います。
最後の写真は、話したいことがあり過ぎて会話が止まらない私たち。
four peasさん、聡子さん、貴重なお時間をいただいてしまいましたが、本当にかけがえのない時間でした。ありがとうございました。